Visual Studio の環境構築¶
1. Visual Studio 2022 をインストールする¶
- Visual Studio Tools のダウンロード へアクセスする。
- 「Visual Studio 2022 Community(コミュニティ)」を選択し、インストーラをダウンロードする。
- インストーラを起動し、インストール内容の選択画面で「C++ によるデスクトップ開発」を選択する。
- インストールが完了したら、Visual Studio 2022 を起動する。
2. Visual Studio で新しいプロジェクトを作成する¶
- 新しいプロジェクトの作成から「コンソール アプリ」を選択し、任意のプロジェクト名を入力する。
- プロジェクトファイルが保存されるディレクトリを確認する(わかりやすい場所であればどこでもよい)。
- 「作成」をクリックするとプロジェクトが作成され、エディタが開く。
3. プロジェクトの初期設定を行う¶
- 「プロジェクト」メニューから「プロパティ」を選択する。
- 「構成プロパティ」の「全般」を選択し、C++ 言語標準を「プレビュー - 最新の C++ Working Draft (/std:c++latest)」に設定する。これにより C++23 の機能が利用できるようになる。
- 「構成プロパティ」の「C/C++」を選択し、「コマンドライン」に
/utf-8
を追加する。これにより UTF-8 がデフォルトの文字セットとなる。 - 「適用」をクリックし、プロパティウィンドウを閉じる。
4. 最初から用意されている C++ プログラムを動かす¶
- 「デバッグ」メニューから「デバッグの開始」または「デバッグなしで開始」を選択すると、プログラムのビルドと実行が行われる。
ビルドとは
「ビルド」は、ソースファイルのコンパイルから、リンク、実行ファイルの生成までの一連の手順を指す。
5. サンプルプログラムを動かす¶
- 以下のプログラムをコピーし、エディタに貼り付ける。
- 「デバッグ」メニューから「デバッグの開始」または「デバッグなしで開始」を選択すると、プログラムがビルド・実行される。
#include <print>
int main()
{
std::println("こんにちは、セキュリティキャンプ!\n");
int a = 100;
std::println("{}", a + 23);
}
コンパイルエラー時の注意
Visual Studio では、コンパイルエラー等でビルドに失敗すると「ビルドエラーが発生しました。続行して、最後に成功したビルドを実行しますか?」というダイアログが表示される。ここでは必ず「いいえ」を選択する。「はい」を選択してしまうと、以前の結果の実行が行われ、エラーを見落としてしまう可能性がある。
6. プログラムのカレントディレクトリを確認する¶
- ビルド・実行したプログラムのカレントディレクトリは、デフォルトではプロジェクトファイル
.vcxproj
が保存されたディレクトリとなる。 - ソリューションエクスプローラーでプロジェクト名を右クリックし、「エクスプローラーでフォルダーを開く」を選択すると、そのディレクトリに簡単にアクセスできる。
テキストファイルを出力するプログラム
#include <fstream>
int main()
{
{
std::ofstream ofs{ "output.txt" };
ofs << "Hello, Seccamp!";
}
}
- 実行ファイルそのものは、プロジェクトフォルダの 1 つ上の
.sln
ファイルがあるディレクトリから、x64/Debug
またはx64/Release
フォルダ内に生成される。
7. 推奨設定¶
- Visual Studio 2022 を生産的に使うための機能や設定を次の記事で紹介している。
- C++ プログラミングの生産性を少し改善する Visual Studio の機能(2023)